・単勝式
単勝式(たんしょうしき)とは、1着になる競走対象を予想する投票法である。
・複勝式
複勝式(ふくしょうしき)とは、全競走対象数が5つ以上7つ以下の場合は2着以内に入る競走対象1つを、全競走対象数が8つ以上の場合は3着以内に入る競走対象1つを予想する投票法である。つまり全競走対象数が7つ以下の場合は予想した競走対象が1着・2着のいずれかであれば、全競走対象数が8つ以上の場合は予想した競走対象が1着・2着・3着のいずれかであれば的中となる。
* なお出走表確定の段階で競走対象数が8つ以上であった競走の投票券発売が開始された後において、出走取消・競走除外・欠車・欠場となる競走対象が生じ、最終的に当該競走に出場した競走対象数が7つ以下となった場合であっても、複勝式の的中条件に変更は生じず、3着以内のうち1競走対象を当てれば的中となる。また同様の過程で、競走対象数が5つ以上7つ以下となる予定だった競走の最終的な出場対象が4つ以下となった場合も、2着以内のうち1競走対象を当てれば的中となる。
* なお、「特払」については3つ(2つ)の的中対象全てに投票がなかった場合のみ行われる。いずれかの的中対象に1票でも投票があった場合、残りは「無投票」として扱われ、特払は行われない。
・「応援馬券」
JRAでは2006年10月7日から単勝式と複勝式をセットで発売する「応援馬券」というシステムを取り入れた。これは、マークカードに新設する「単+複」の欄にマークシートすることで、その出走馬の馬番馬券を同時購入できるというものである。但し、単勝式と複勝式を同時購入するため、購入は1口につき200円(単勝・複勝それぞれ100円ずつ)単位となる。
* 元々このような馬券は海外においては「Eachway(イーチウェイ)」の名称で古くから発売されており、「応援馬券」はその仕組みを日本に導入したものである。
* 投票券は1頭の出走馬につき1枚ずつの馬券が発行されるので、その際投票券の馬名の上に「がんばれ!!」という文字が印刷される。例えばディープインパクトのそれを購入した場合は「がんばれ!!ディープインパクト」という形になる。
* 9月に札幌競馬場とウィンズ札幌、米子で先行試験発売を行い、10月から全国展開による本発売が開始となった。
・連勝単式
連勝単式(れんしょうたんしき)とは、上位着順を占める複数の競走対象の組み合わせを、それらの着順通りに予想する投票法である。 連勝単式には対象となる競走対象の数により以下の2つに分類される。
・ 二連勝単式
二連勝単式(にれんしょうたんしき)とは、1着・2着になる競走対象の組み合わせ2つを、それらの着順通りに予想する投票法である。例えば1着が13番、2着が9番の場合、13-9が的中となるが、9-13は不的中となる。
・三連勝単式
三連勝単式(さんれんしょうたんしき)とは、1着・2着・3着になる競走対象の組み合わせ3つを、それらの着順通りに予想する投票法である。例えば1着が18番、2着が9番、3着が10番の場合、18−9−10が的中となる。
・連勝複式
連勝複式(れんしょうふくしき)とは、上位着順を占める複数の競走対象の組み合わせを、それらの着順に依らず順不同で予想する投票法である。 対象となる競走対象の数や選ぶ組み合わせの数により、以下の3つに分類される。
・普通二連勝複式
普通二連勝複式(ふつうにれんしょうふくしき)とは、1着・2着になる競走対象の組み合わせ2つを、それらの着順に依らず順不同で予想する投票法である。例えば1着が18番、2着が5番の場合、5−18が的中となる。
・拡大二連勝複式
拡大二連勝複式(かくだいにれんしょうふくしき)とは、3着以内に入る競走対象の組み合わせのうち2つを、それらの着順に依らず順不同で予想する投票法である。つまり予想した組み合わせが1着・2着、1着・3着、2着・3着のいずれかであれば的中となる。例えば1着が7 番、2着が18番、3着が10番の場合には7−18、7−10、10−18の3つの馬券が的中となる。「ワイド」とも呼ばれている(競艇を除く)。
* 同着があった場合の取り扱いは、以下のとおりとなる。
o 1着同着・2着同着の場合、的中は3通りとなる。
o 3着同着の場合は、的中は5通りとなる。ただしこの場合、3着同士の組み合わせは不的中となる。
* なお、複勝式と同様に特払については的中対象全てに投票がなかった場合のみ行われる。いずれかの的中対象に1票でも投票があった場合、残りは「無投票」として扱われ、特払は行われない。
・三連勝複式
三連勝複式(さんれんしょうふくしき)とは、1着・2着・3着になる競走対象の組み合わせ3つを、それらの着順に依らず順不同で予想する投票法である。例えば1着が13番、2着が1番、3着が8番の場合、1−8−13が的中となる。
・重勝式
重勝式(じゅうしょうしき)とは、複数レースにおける単勝式・複勝式・連勝単式・連勝複式のいずれか1つの投票法をまとめて予想する投票法である。
根拠法の関係上、この投票法は競馬のみで発売可能であり、最低2つのレースから最高5つのレースまでの単勝式の投票をまとめた方式と、2つのレースの連勝単式および連勝複式をまとめた方式が認められているが、現在日本国内では重勝式馬券の発売は行われていない。
かつて国営競馬とその後身である中央競馬では、3つのレースの勝ち馬を全て的中させる「三重勝馬券」を、午前中のレースを対象に発売していた。1951年(昭和26年)4月に発売開始され、1954年10月30日には中山競馬場で507,940円という当時としては驚異的な配当の記録が出ている(的中1票)。この配当金額は馬番号連勝単式が導入されるまで、中央競馬では不滅の大金字塔であった。しかし、重勝式は1961年(昭和36年)2月を最後に発売を中止した。
現在では主に競馬マスコミなどでの懸賞クイズやイベントなどとして、この形の予想が行われる事がある。
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